営業部門におけるSFA・CRM・BIツールの課題と展望
株式会社キーウォーカーが実施した、SFA・CRM・BIツールを活用している営業部門に関する調査が注目を集めています。調査対象は、これらのツールを使用している現場の担当者及び管理職で、1,034名からの回答を基に、その活用状況や課題などを探っています。
調査の背景と目的
営業DXが進む中、これらのツールの導入が進む一方で、現場ではさまざまな運用上の課題が浮き彫りとなっています。特に、入力負担やデータ精度、そしてダッシュボードの活用が不足しているという声が多く聞かれます。本調査では、実際にどのような状況にあるのか、具体的な数字をもとに分析しています。
主な調査結果
1. 営業活動後の入力タイミング
調査によると、営業活動後のSFAツールへの即時入力を行っているのは約4割、残りはまとめて入力したり、入力漏れが発生していたりとさまざまです。具体的には、以下のような結果が示されています。
- - 毎回すぐに入力:40.2%
- - 1日の終わりにまとめて入力:32.2%
- - 週に数回まとめて入力:11.2%
- - 入力漏れが多い:12.5%
この結果から、現場の担当者は限られた時間の中で多様な業務を進めるため、入力作業は後回しになる傾向があると推測されます。
2. 入力が遅れる理由
入力の遅れや漏れの理由について、最も多いのは「他業務の優先順位が高い」で44.2%。次いで「入力項目が多すぎる」が38.5%、そして「モバイルでの入力が難しい」が30.7%と続きます。
3. モチベーションを上げる要素
さらに、「入力の目的が明確である」ことが54.8%の人にとってモチベーションを高める要因だと回答されました。これは、入力行為が単なる作業ではなく、成長や成果に直結するものであると認識されることが重要であることを示しています。
4. ダッシュボードの活用状況
ダッシュボードは「営業会議の数値確認」で最も多く利用されており、次いで「営業活動の振り返り」や「業績の進捗確認」と続きます。しかし、次のアクションに結びつけるための利用は限定的であり、受動的利用に偏っている印象です。
5. 必要な指標
営業部門では「商談ステージや進捗率などのプロセス指標」が最重要視されており、これが定量的なデータを経て、次の行動へ結びつくような仕組み作りが求められています。
結論と今後の展望
営業データ活用の成熟には、現場のニーズに即した構造設計が鍵となります。使いにくさや情報の過多を解消するために、ユーザーごとの最適化やカスタマイズが求められ、「誰が、何のために、どのデータを見るのか」を土台にした再設計が必要です。将来的には、データが「行動を導く資産」となるように進化させていくことが期待されます。
株式会社キーウォーカーが提供するTableauソリューションなど、適切なデータ構造設計に基づいたダッシュボードの活用事例も、多くの契機を提供しています。興味のある方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。