新たな防災の形『嵩上げ防水柵』とは?
近年、異常気象による水害が頻発する中、積水樹脂株式会社が新たに発売した「嵩上げ防水柵」が注目を集めています。この製品は、河川の氾濫を防ぐために設計されたもので、特に都市部における治水対策に貢献することを目的としています。実際のところ、この防水柵はどのように機能し、どのような利点があるのでしょうか。
開発の背景と流域治水の必要性
近年の気候変動がもたらす影響によって、日本の降雨量は2020年代に入ると1.1倍、河川の流量は1.2倍に増加すると予測されています。これにより、水害のリスクが一層高まる中、従来の河川整備だけでは安全を確保することが難しくなっています。国土交通省は「流域治水推進行動計画」を策定し、新たな治水対策の必要性を強調しています。これを受けて積水樹脂は、嵩上げ防水柵を開発し、水害からの安全を守る一助とすることを目指しました。
嵩上げ防水柵の特徴
この防水柵は、堤防や擁壁の上に設置することで、簡易的に堤防を嵩上げし、河川の氾濫を防止することが可能です。主な特徴は以下の通りです。
- - 浸水防止性能:JIS A 4716に基づく「Ws-1等級」をクリアし、越水時の漏水量を抑制。これにより避難時間を延長することが可能となります。
- - 設計強度:水深1mの静水圧及び耐風圧2kN/㎡に耐える設計で、様々な環境下でも安心して使用できます。
- - 景観への配慮:透明なポリカーボネート製のパネルを使用しており、設置しても眺望性が損なわれません。都市部や自然環境に配慮したデザインは、景観にもマッチします。
- - 施工・メンテナンスの効率化:道路側からの片側施工が可能で、河川側に足場を組む必要がないため、施工効率が向上し、メンテナンスも容易です。
- - 人力施工の可能性:強度を高めたポリカーボネート板を採用しており、軽量なので人力で施工することも可能です。現場作業の負担が軽減されます。
- - スペースの有効活用:擁壁の改築が不要なため、設置スペースが限られた場所でも活用でき、特に都市部での需要が見込まれています。
サステナビリティへの寄与
「嵩上げ防水柵」は、積水樹脂グループが認定する「サステナビリティ貢献製品EX」にも選ばれています。これは、環境への配慮や社会問題の解決に寄与する製品として評価されるものです。製品開発の段階から使用、廃棄までを通じて、持続可能な社会のために貢献しています。
まとめ
積水樹脂が新たに開発した「嵩上げ防水柵」は、近年の異常気象からくる水害のリスクに対抗するための強力なパートナーです。特に都市部における防災意識が高まる中、この製品は今後一層需要が高まることでしょう。安全で快適な暮らしを守るために、ぜひこうした革新的な取り組みに注目していきたいものです。詳細は
積水樹脂の公式サイトをご覧ください。